イラク侵攻から9年、戦争によるトラウマに思いをはせよう

 以下は、イラク侵攻から9年が経った2012年3月19日に、アーロン・ヒューズが IVAW に書いた記事だ。

イラク侵攻から9年、戦争によるトラウマに思いをはせよう
 今日でイラク侵攻から9年が経つ。イラクの軍事占領は終わった。しかし、イラクの人々の語られない痛みとトラウマの中で、そして戦争を生き延びた現役・退役軍人の心の中で戦争は続いている。戦争で最も破壊的なのは、この見えないトラウマであることが多い。
 IVAW とJustseeds は、戦争の見えない心の傷に光を当てる「ウォー・イズ・トラウマ」を公開できることを誇りに思う。
 自らの心の傷を公にする兵士を貶め続ける軍隊では、破滅的な暴走が起き続けるだろう。先週、アフガニスタンで16人以上もの無辜の市民が虐殺された。この悲劇は、最近の一例に過ぎない。アフガニスタンの殺人者に名を連ねたロバート・ベールズ陸軍二等軍曹は、報道によれば4回目の派遣であり、外傷性脳損傷を2回経験し、事件の前日に戦友が足を失うのを目撃したという。
 4回の派遣のうち最初の3回はイラクだったロバート・ベールズのように、現在アフガニスタンにいる多くの部隊が、以前はイラクにいた。多くの人は、軍隊における性暴力によるトラウマ、心的外傷後ストレス障害、そして、あるいは外傷性脳損傷の苦しみを、既に味わってからイラクに到着した。任務についている兵士は36時間に1人の割合で自殺している。2001年以降自殺した兵士は少なくとも2,129人、自己破壊的で無謀な行動によって死亡した帰還兵は、少なくとも4,194人存在する。私たちと仲間の現役・退役軍人が経験したトラウマは、私たちが市民に加えたトラウマに関連するものであることが多い。

 イラク侵攻から9年目というこの日に、以下の人々のことをよく考えてみて欲しい。

  • 我々が与えた心の傷に苦しむイラク市民、人数さえわからないイラクの死傷者、そしてイラク難民と強制退去者。
  • 戦争の途中に命を落とした4,457人の兵士たち、過去10年間にイラク及びアフガニスタンに派遣された2,333,973人の兵士たち、2回以上派遣された1,002,106人の兵士たち、そして現在精神の健康状態に苦しむ385,711人の退役軍人たち。

原文:
 Hughes, Aaron, 2012, “ON THIS ANNIVERSARY REMEMBER WAR IS TRAUMA,” IRAQ VETERANS AGAINST THE WAR, published on 19 March 2012, available at http://www.ivaw.org/blog/anniversary-remember-war-trauma.
翻訳:翻訳:中村江里 | 2012年6月23日