丸木美術館|Aaron & Ash Speaking Tour 2012

関西の方から届きました。
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JIMNET佐藤真紀さんが、またフェイスブックにアーロンとアッシュのことをコメントしてくださっていました。
「アーロンが入れてくれたお茶は、結構イラクティに近いね。イブラヒムがいつも入れてくれたあの苦いお茶によく似ていた」
「アーロンとアッシュの展示を見に丸き美術館に駆けつけた。忙しいのだが、どうしても彼らに会いたかった。何故だろう。それは、同じ時期にイラクにいたという事実だと思う」

それぞれに戦争で傷ついた人々、追い込まれていく弱い立場の人々と連帯しようとする佐藤さんやお二人が、同じ時期にイラクにいらっしゃったことに、深い意味を感じました。

いろんな場所で、今回二人から学んだことを、伝えて広めていきたいと思っています。

丸木美術館|Aaron & Ash Speaking Tour 2012

関西の方から届きました。
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イラク人のお医者さんと看護師さんを連れて、JIMNET(日本イラク医療支援ネットワーク)事務局長、佐藤真紀さんが丸木美術館に行かれたそうです。
アッシュとアーロンの二人の作品も見てほしかったので、とのこと。丸木美術館で、イラクのお医者さん達と2人が話す場をアレンジして下さったのですね。

以下、佐藤さんのフェイスブックへのコメントから

「ペイマン先生(イラクのドクター)は、帰還兵を前にして何を話していいか戸惑ったという、対話はとぎれとぎれだった。しかし別れ際に『私の兄弟はバグダッドで米兵に殺されました。しかし、あなた方のように平和を作ろうとしている人たちがいることを尊重したい。一緒に平和が作れたらいい』と語った」
「平和の対話はなまはんかじゃない。泣いたり、怒ったり、そういうダイアローグを重ねてこそ到達するもんだ。12月8日という日に、日本とアメリカ、アメリカとイラクが平和を考えた日。選挙後の日本がどこにむかうのかのヒントがある。そう思うと、帰還米兵に会いに、丸木美術館にでかけていきました」

「アメリカの兵士とイラク人との間に本当の和解はあるのか?」という疑問を口にした友人への、佐藤さんの文章は一つの答えだと思いました。
9条をもつ日本が、国際社会で果たすべき役割が、今回のような平和につなげる橋渡しなんじゃないか?と思います。
勇ましい言葉が飛びかう最近の日本の中で、とても貴重な取り組みが行われていたんですね。

エキシビジョン@丸木美術館|Aaron & Ash Speaking Tour 2012

みなさま、
お世話になっております。
報告もお知らせもなかなかできず、申し訳ありません。
(中村さん、丸木の情報流してくれてありがとうございました!)

アッシュ&アーロンのエキシビジョン@丸木美術館が始まりました。
明日も1日丸木にいます。アーロンのTeaは、14時からの予定です。
お近くの方は、是非起こしください。
 ※丸木美術館への行き方は→
 http://www.aya.or.jp/~marukimsn/top/riyo.htm#access
 ※13時に、森林公園駅から送迎車が出ます。

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丸木美術館アートスペースは、夏のパネル展でも使わせていただきました。
丸木ご夫妻の原爆の図が常設されているなかに、兵士側からみた戦争が展示されているのは、改めて色々考えてしまいます。

今回展示しているのは、アーロンのDust Memories、アッシュのUntitled Media Images、IVAW+JustSeedsのWAR IS TRAUMAです。
今回は、それぞれ短い説明と訳分をつくって、資料として置いています。

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アーロンのDust Memories、今回は、完全に1冊の本として自由に見てもらえるように置いたようです。
説明が必要なものももちろんあるのでしょうが、見る方がそれぞれの読み解きをしてはるように思います。

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アッシュのUntitled Media Imagesは、沖縄と同様、「軍の暴力性」を示す写真にしたようです。
今回の写真(戦闘機内にいる空軍兵士)は特に、たかだか色の変換をするだけで、内容の意味合いが変換されるのが如実にわかるものな気がします。(色付原版もどこかに置いとけば良かったかも・・・)
ちと、ノリが濃いかも?2日間で全部破れるかどうか・・・^^;

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WAR IS TRAUMA、今回も一部のみの展示となってしまいました。
ほんまは、全作品に訳をつけて展示したいのですが、時間と体力切れで一部展示のさらに一部のみが訳付きになってしまいました・・・
戦争のトラウマ、というものが、日本ではそれほど理解されていないのやろうなぁ、と思うことは多々あります。
様々な活動をされている方にこそ、見て知っていただきたいポートフォリオです。

どれも、To open up conversationsということが、よくわかる作品です。
是非、ご参加ください。

こぶち

一橋大学での集会が終わりました|Aaron & Ash Speaking Tour 2012

みなさま

お世話になっております。
12月4日(火)に一橋大学で集会を行ないましたので、ご報告申し上げます。

今回の集会は、6月からずっとアーロン・アッシュの作品パネル展を行なって来た一橋大学院生有志4人で企画したものです。
当初は知り合いの院生を呼んでごくごく小さな集まりにしようと考えていたのですが、一橋大学「平和と和解の研究センター」の推進メンバーである中野聡先生(アメリカ研究)のご協力で、最終的にはこちらのセンターの「レクチャー・シリーズ」という形で実施いたしました。

全国ツアーのチラシも出来上がってから動き始めたので、スピーカーのお二人や小淵さん・木村さんにも色々とご迷惑をおかけしたと思います。
お忙しい中、はるばる国立まで来てくださって本当にありがとうございました。

集会の方は、あまり宣伝期間もなかったこともあり20人ほどの集まりでしたが、今回は参加してくれた院生が通訳を引き受けてくれたので、お二人のお話の後に二つのグループに分かれて、アーロンさんとアッシュさんにそれぞれ入っていただき、一人ずつゆっくりと質問することができました。
本当は途中でグループを交換してそれぞれに質問したかったのですが、あっという間に時間が過ぎてしまい、続きは懇親会で、ということになりました。

私自身はアッシュさんのグループに入っていて、色々と質問や感想が出ましたが、このツアーのテーマでもある「和解」が一つ論点になったように思います。
もともと対等な関係にない者同士の「和解」はあり得るのか、かつて日本に侵略され、今もなお戦争の傷が癒えないアジアの国々と日本の関係を考えた時に、日本人の立場から「和解」という言葉を使うことにはやはり戸惑いを感じてしまいます。
日本語の「和解」と英語のreconciliation の違いをアッシュさんが一生懸命説明してくれたのですが、その場ではよくわからず、もう少し掘り下げてみたいなーと思いました。
また、「イラク戦争の前にベトナム戦争のことをどれくらい知っていたか」という質問に対して、アッシュさんは「第一次世界大戦や第二次世界大戦のことは教科書にた~くさん書いてある、でも朝鮮戦争とベトナム戦争のことはこんだけ」と、指で示しながら教えてくれました。
アーロンさんのグループの方でも、歴史的な物の見方の重要性ということがお話に出たそうで、「歴史=役に立たない学問」的なことをよく言われるしがない院生の私としては、我が意を得たりという感じでした(笑)

また、お二人の作品のスライドショーやお二人も作品を寄せているポートフォリオ”war is trauma”の作品コピーで装飾をしていたので、アーティストとしての彼らの活動にも関心を持って貰えて、ポストカードも何部か売れました。

本当に、お二人の引き出しが多すぎてまだまだ時間が足りない!!という感じです。
アンケートも書く時間がなくてあまりたくさんは回収できてないですが、こちらのメールの下に感想を貼り付けておきます。

以上、ご報告まで。

今日の王子での集会は、途中からですが参加したいと思います。
皆様本当に疲れもたまっていることと思いますが、このツアーが最後まで無事に終わりますよう心より祈念申し上げます。

中村江里

<感想>
20代、男性、一橋院生
通訳を通す必要もあってか、簡素な言葉だったが、その分解かり易く伝わった。
こうした語りこそ、戦争を振り返る主流になって欲しいと思う。

20代、女性、一橋院生
軍内での自殺者や沖縄のことについて、納得のいく説明をきくことができ、勉強になった。
2人の絵についても、これから是非見る機会があればじっくり見たいし、他の人にも伝えたい。

20代、男性、一橋院生
歴史的なものの見方の重要性というアーロンさんの話がとても面白かったです。他にもどんな取り組みがあるのかも知りたいです。

20代、男性、一橋院生
じっさいにイラクに行っていた帰還兵の話を聴くのは初めてだったが、「戦争の現実」とはどのようなものか、その一端を知ることができたと思う。また、アーロンさんの話にあった「自分はイラクの人たちを助けるために行ったのに、何も「提供」しなかった」、「戦争は人を非人間化する」というのは、とても印象的な個所で、戦争の本質にもふれていると感じた。

20代、男性、一橋院生
アーロン氏がグループ・トークのときに仰っていた、「軍隊はすべての人間性、関係性を破壊する」という言葉を、今の日本にも伝えていく必要があると思います。改憲だの国防軍だのばかげたことを言う政治家、官僚に盲従してはならないと強く感じました。護ろう憲法9条。
(*アーロンさんのグループトークでたしかこの発言は無かったので、アッシュさんの間違いでは?―企画者注)

50代、女性、一橋院生
アーロンさんがイラクから帰還された後、家に戻っても「家へ帰りたい」と言われていたこと、「元の人間に戻ることはできない」と言われた言葉が胸に迫りました。アッシュさんがイラク人のことを、米兵は「ハジ」と蔑視した言葉を使用するなど、非人間化の構造を兵士の口から聞けて改めて戦争のおそろしさを痛感しました。憲法9条をしっかり守っていかなければと思いました。

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「ウォー・イズ・トラウマ」開催にあたって――アーロン・ヒューズのメッセージ

 以下は、イラク戦争開始から9年目にあたる2012年3月19日に、IVAW のアーロン・ヒューズが「ウォー・イズ・トラウマ」の開催にあたって寄せたメッセージである。

「ウォー・イズ・トラウマ」開催にあたって――アーロン・ヒューズのメッセージ
 アメリカがイラクで戦争を始めた2003年3月19日から9年目の今日、IVAW とJustseeds が、目に見えない戦争のトラウマに光を当てる「ウォー・イズ・トラウマ」を公開できたことを誇りに思う。ぜひ「ウォー・イズ・トラウマ」の新しいウェブページを訪れて、隠されがちであるイラクの人々や帰還兵、私たちの社会、そして地球上の心の傷に光を当てるために、これらの作品をダウンロードして印刷してほしい。
 結局、イラク戦争はアメリカ国民に4兆円以上を費やさせることになりそうだ。しかし、金銭的コストは人的コストに比べたら微々たるものである。イラク戦争は4,485人のアメリカ兵と113,000人以上のイラク市民の命を奪った。それを上回るほど多くのイラク人と退役軍人が戦争を生き延びたが、私は心と体に傷を負って生きている。
 現役・退役軍人のあいだで増加する自殺(2010年に米軍の全部門で自殺により死亡した現役軍人は少なくとも468人)のなかでも、このポートフォリオは、とりわけ彼らの、戦争による目に見えない犠牲を強調している。度重なる派遣のために、軍隊におけるトラウマの危険性は増え続けている。このポートフォリオで強調されているいくつかの統計を挙げてみよう。

  • 2001年から2005年にかけて、米軍における自殺率は150%増加した。
  • イラク又はアフガニスタンに配置された全現役兵のうち20%~50%はPTSDに苦しんでいる。
  • イラク又はアフガニスタンに派兵された1/3の兵士が、必要な時にメンタルヘルスの専門家に診てもらえない。
  • 現役兵の20%近くが、何らかの精神治療薬を服用している。
  • アフガニスタンの路上で爆撃され負傷した米軍部隊の数は、2009年~2010年で178%増加した。
  • 3人に1人の女性が軍隊にいるあいだにレイプされ、報告されたレイプのうち48%は男性サバイバーによるものである。

 米軍はイラクから撤退したが、軍隊の民営化によって戦争は続いている。戦争請負会社はイラクを占領し続け、アメリカはイラクにある基地を維持している。イランを攻撃せよという声が高まっている。アメリカでは、軍事主義の文化が衰えないままであり、軍事基地周辺の多くのコミュニティーは、軍産複合体へ経済的に依存したままである。
 要するに、我々は絶え間ない戦争状態を生きており、アメリカは無意味な軍事費に税金の50%以上をつぎこんでいるのだ。この状況下では、暴力・国家権力・企業支配が増大する一方で、教育・福祉・公共サービス・環境が損害を被る。
 「ウォー・イズ・トラウマ」のポートフォリオが公開されたのは、このような状況において、現役・退役軍人の人権を求める活動を支え、今まさに起きている戦争と占領を終わらせるための差し迫った要求だ。Justseeds とIVAW は、「回復作戦」キャンペーンを支えるクリエイティブな活動をともに始められたことを誇りに思う。
 ポートフォリオ自体は34のプリントから構成されており、Justseeds とIVAW のほか、我々が敬服するアーティスト(及びアーティスト集団)の作品からなる。
 ポートフォリオの作品は、関連テーマ全般を扱っており、トラウマを負った兵士の再配置の廃止、兵士の治療の権利、過去及び現在の兵士の抵抗への支持、アメリカにおける軍事主義文化への挑戦、海外での戦争の終結を主張している。

原文:
 Hughes, Aaron, 2012, “WAR IS TRAUMA: PORTFOLIO RELEASE,” IRAQ VETERANS AGAINST THE WAR, published on 19 March 2012, available at http://www.ivaw.org/blog/war-trauma-portfolio-release.
翻訳:翻訳:中村江里 | 2012年6月23日