一橋大学での集会が終わりました|Aaron & Ash Speaking Tour 2012

みなさま

お世話になっております。
12月4日(火)に一橋大学で集会を行ないましたので、ご報告申し上げます。

今回の集会は、6月からずっとアーロン・アッシュの作品パネル展を行なって来た一橋大学院生有志4人で企画したものです。
当初は知り合いの院生を呼んでごくごく小さな集まりにしようと考えていたのですが、一橋大学「平和と和解の研究センター」の推進メンバーである中野聡先生(アメリカ研究)のご協力で、最終的にはこちらのセンターの「レクチャー・シリーズ」という形で実施いたしました。

全国ツアーのチラシも出来上がってから動き始めたので、スピーカーのお二人や小淵さん・木村さんにも色々とご迷惑をおかけしたと思います。
お忙しい中、はるばる国立まで来てくださって本当にありがとうございました。

集会の方は、あまり宣伝期間もなかったこともあり20人ほどの集まりでしたが、今回は参加してくれた院生が通訳を引き受けてくれたので、お二人のお話の後に二つのグループに分かれて、アーロンさんとアッシュさんにそれぞれ入っていただき、一人ずつゆっくりと質問することができました。
本当は途中でグループを交換してそれぞれに質問したかったのですが、あっという間に時間が過ぎてしまい、続きは懇親会で、ということになりました。

私自身はアッシュさんのグループに入っていて、色々と質問や感想が出ましたが、このツアーのテーマでもある「和解」が一つ論点になったように思います。
もともと対等な関係にない者同士の「和解」はあり得るのか、かつて日本に侵略され、今もなお戦争の傷が癒えないアジアの国々と日本の関係を考えた時に、日本人の立場から「和解」という言葉を使うことにはやはり戸惑いを感じてしまいます。
日本語の「和解」と英語のreconciliation の違いをアッシュさんが一生懸命説明してくれたのですが、その場ではよくわからず、もう少し掘り下げてみたいなーと思いました。
また、「イラク戦争の前にベトナム戦争のことをどれくらい知っていたか」という質問に対して、アッシュさんは「第一次世界大戦や第二次世界大戦のことは教科書にた~くさん書いてある、でも朝鮮戦争とベトナム戦争のことはこんだけ」と、指で示しながら教えてくれました。
アーロンさんのグループの方でも、歴史的な物の見方の重要性ということがお話に出たそうで、「歴史=役に立たない学問」的なことをよく言われるしがない院生の私としては、我が意を得たりという感じでした(笑)

また、お二人の作品のスライドショーやお二人も作品を寄せているポートフォリオ”war is trauma”の作品コピーで装飾をしていたので、アーティストとしての彼らの活動にも関心を持って貰えて、ポストカードも何部か売れました。

本当に、お二人の引き出しが多すぎてまだまだ時間が足りない!!という感じです。
アンケートも書く時間がなくてあまりたくさんは回収できてないですが、こちらのメールの下に感想を貼り付けておきます。

以上、ご報告まで。

今日の王子での集会は、途中からですが参加したいと思います。
皆様本当に疲れもたまっていることと思いますが、このツアーが最後まで無事に終わりますよう心より祈念申し上げます。

中村江里

<感想>
20代、男性、一橋院生
通訳を通す必要もあってか、簡素な言葉だったが、その分解かり易く伝わった。
こうした語りこそ、戦争を振り返る主流になって欲しいと思う。

20代、女性、一橋院生
軍内での自殺者や沖縄のことについて、納得のいく説明をきくことができ、勉強になった。
2人の絵についても、これから是非見る機会があればじっくり見たいし、他の人にも伝えたい。

20代、男性、一橋院生
歴史的なものの見方の重要性というアーロンさんの話がとても面白かったです。他にもどんな取り組みがあるのかも知りたいです。

20代、男性、一橋院生
じっさいにイラクに行っていた帰還兵の話を聴くのは初めてだったが、「戦争の現実」とはどのようなものか、その一端を知ることができたと思う。また、アーロンさんの話にあった「自分はイラクの人たちを助けるために行ったのに、何も「提供」しなかった」、「戦争は人を非人間化する」というのは、とても印象的な個所で、戦争の本質にもふれていると感じた。

20代、男性、一橋院生
アーロン氏がグループ・トークのときに仰っていた、「軍隊はすべての人間性、関係性を破壊する」という言葉を、今の日本にも伝えていく必要があると思います。改憲だの国防軍だのばかげたことを言う政治家、官僚に盲従してはならないと強く感じました。護ろう憲法9条。
(*アーロンさんのグループトークでたしかこの発言は無かったので、アッシュさんの間違いでは?―企画者注)

50代、女性、一橋院生
アーロンさんがイラクから帰還された後、家に戻っても「家へ帰りたい」と言われていたこと、「元の人間に戻ることはできない」と言われた言葉が胸に迫りました。アッシュさんがイラク人のことを、米兵は「ハジ」と蔑視した言葉を使用するなど、非人間化の構造を兵士の口から聞けて改めて戦争のおそろしさを痛感しました。憲法9条をしっかり守っていかなければと思いました。

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